流通・小売業界では食品ロス問題が最近話題になっています。
あるスーパーは季節モノの売れ残り廃棄を問題視し、適正数販売することで世間に問題をアピールする形になっていました。
食品素材メーカーに勤め、生産管理を司っている私が、ちょっと穿った視点で食品ロス問題の一因はこれではないか…と提起させて戴きます。
タイトルにあるように、食品添加物を嫌い、添加物を使用していない食品こそ正義という、まさに宗教のような嫌・食品添加物主義者の存在がそれであると私は指摘します。
食品添加物は過剰に摂取した場合、発ガン性が高まったり、その他健康被害の可能性があったりする場合があることはよく知られています。
食品業界もアメリカが世界の中心で、FDAアメリカ食品医薬品局 - Wikipediaの縛りが各国の規制にも伝わっていく流れになっていますが、、、
アメリカやEUでは使用禁止になっている物質が、日本ではまだ規制がない…なんてケースもまれにあります。
時差こそあれ、少しでも安全性が担保できない・危険性がある物質は、徐々に使用できなくなっているものです。我々はちょっとずつ安心・安全な食品だけ口にする環境に近づいています。
さておき、今使用できる物質は、使用規制が設けられており、その範囲内での使用を認められているこそ使用されています。「添加量は全体の0.0○%以下」とか、「この目的の使用に限る」とかの縛りです。この使用範囲において、特に人体に影響がないというデータの元に食品添加物は使われています。
その効果は、防カビ・防腐、食感の改良、見た目など様々な恩恵を食品にもたらします。
スーパーやコンビニに並んでいる、加工されている食品のほとんどは添加物が使用されています。だからこそ腐っていない安全な、美味しい食品を我々は食べられるのです。
ところで、みなさんは腐った食品を食べるでしょうか?
不味い食品を食べるでしょうか?
見た目が悪い食品を選ぶでしょうか?
恐らくそんな人はいないと思います。
添加物を使用しなければ、店頭に食品を並べることは非常に難しくなります。
食品添加物を使用しない食品は、
日持ちはしなくなるから賞味期限がすぐ切れる→廃棄に
美味しさが向上されていない・見た目が悪い→売れ残り→廃棄に
…という循環が発生し、食品ロスが上昇してしまうことになると私は考えます。
「発がん性がある」となると、100%安全とは言えないのは事実です。
命と食事を天秤にかけたら、命の方が重いに決まってる。。。
この究極の選択の結果が、誰もが”そうだ”と頷いてしまう結果のためか、「添加物は悪い」という声が大きくなってしまっていると思います。
しかし、
添加物をドカ食いしなければガンにはならないし、そもそも病気は遺伝など複合的な要素があるから原因を特定しきれない。
”ここまでなら安全”という立証されたデータがあるのにも関わらず、「添加物が悪」という論者は妄信的で、安全性データを無視しがちだと思います。
”嫌・食品添加物教”信者の方々は、上述の通り、店頭に並ぶものなら
青果、魚介類、精肉、米、砂糖や塩などの限られた食材しか買わないのかな?
もしかすると野菜などは食品添加物グレードの洗浄剤を使用して店頭に出しているかもしれないので、買えるものは無いに等しいかもしれません。
となると、自給自足しか食品添加物から逃げる手段はないといえます。
安全が立証されている便利な生活から、実際に離れられるのでしょうか。。。
あまり「食添悪」という風潮が広がると、食品ロスに繋がると思います。
日持ちすることと、売れ残りしない見た目と美味しさが、これからの食品にこそ求められるのだと私は思っています。
今日も関連業界の視点から、反論じみた主張をさせて頂きました。
こういう考え方もあるんだと受け止めて頂ければ幸いです。
添加物の入ったルーを使用したカレーが今日の夕食でした。美味しかったです♪