この記事では、指定難病<自己免疫性肝炎>で入院した実体験を元に、自己免疫肝炎の治療に使われる薬の効能・効果と、副作用についてまとめています。
どんな薬でも副作用について心配される方は多いと思います。病気や薬についての悩みは、ご自身で不安を抱えたままにしたり、自分で治療の判断をしたりせず、医師に相談して確実な知識の元に治療をすすめ、完全寛解を目指しましょう!
こんな方にこの記事はオススメです!
・自己免疫性肝炎、急性肝炎を患ってしまった方とそのご家族
・ステロイドの副作用が気になる方
目次
薬の効果・説明・副作用
プレドニゾロン(免疫抑制剤 副腎皮質ホルモン=ステロイド)
効能・効果
抗炎症作用、免疫抑制作用などにより、炎症やアレルギー症状、免疫反応を抑えたり、体内に不足している副腎皮質ホルモンを補います。
副作用
顔が丸くなる(ムーンフェイス)、血小板減少、血圧上昇、脱毛、不眠、にきび、悪心、嘔吐、毛深くなるなどが現れる場合があります。
私の経験
私の場合、入院開始時はプレドニゾロン錠を40mg/日から始まりました。入院中、副作用としては血圧上昇と不眠(軽い高揚感)を体感しました。頭皮に軽く吹き出物ができましたが、薬の作用なのか入浴の影響なのか(2日に1回のシャワーでした)はわかりません。顔はいつもより少しホンワカしてる感じがしましたが、むくみとまでは至っていません。
看護師さんは顔だけでなく、足のむくみの有無も確認されていたので、人によればむくみが出やすい薬だと想像します。自己免疫性肝炎は女性の方が疾病率が高いため、プレドニゾロンを大量に内服している時はむくみが出やすくなるかもしれません。
退院後は、顔の高揚感と吹き出物が続いています。後述しますが、血圧が上昇しているので入院中に降圧剤が処方され、治療中の現在も飲み続けています。
個人的には薄毛傾向なので、頭部が毛深くなるとありがたいのですが…(誰がハゲやねん!)
【参考URL】
アザチオプリン(免疫抑制剤)
効能・効果
プレドニゾロンと同様に免疫抑制を目的とする薬です。プレドニゾロンと併用することで肝機能検査値を早期に下げたり、あるいはプレドニゾロンで強い副作用やアレルギー反応が現れるなど、プレドニゾロンを使用できない場合に用いられます。
副作用
発疹、血管炎、過敏症、腎機能障害、膵炎、食欲不振、悪心、嘔吐、心悸亢進 、全身倦怠感、筋痛などが現れる場合があります。
私の経験
私はアザチオプリンを使用しておらず、免疫抑制剤はプレドニゾロンのみでした。
【参考URL】
ウルソデオキシコール酸(胆汁酸)
効能・効果
胆石溶解薬で、胆汁の分泌を促進し胆汁の流れを良くして、コレステロール系の胆石を溶かし、肝臓を保護することを目的とします。膵液の分泌を促し消化吸収も良くします。
副作用
下痢、悪心、食欲不振、便秘、胸やけ、胃不快感、腹痛、腹部膨満、嘔吐、過敏症、そう痒、倦怠感、肝機能検査値異常などが現れる場合があります。
私の経験
私の場合は、胆汁や膵液の分泌を促すことで、ダメージを受けている肝臓の負担を軽減させることを目的にプレドニゾロンが処方されたのだと思います。
自己免疫性肝炎の治療におけるウルソデオキシコール酸の有効性は明確でないようです。
【参考URL】
- ウルソデオキシコール酸錠50mg「トーワ」の基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)|日経メディカル処方薬事典
- 自己免疫性肝炎におけるウルソデオキシコール酸 (UDCA)の治療効果(PDFファイル)
- ウルソデオキシコール酸投与中に自己免疫性肝炎が増悪したPBC-AIH overlap 症候群の 1 例(PDFファイル)
ボノプラザンフマル酸塩(プロトンポンプ阻害薬)
効能・効果
他の薬と併用してヘリコバクター・ピロリの除菌に用いる薬です。胃酸の分泌に働く酵素の作用を抑えて、胃酸の分泌を抑制し、胃酸の逆流による食道炎を改善します。
副作用
下痢、便秘、腹部膨満感、悪心、過敏症、発疹、むくみ、味覚異常、肝機能検査値異常などが現れる場合があります。
私の経験
肝機能検査値を正常に戻す薬ではないですが、プレドニゾロンの副作用には悪心や嘔吐があるため、その症状が出た時のための胃薬として処方されたのだと思います。
私の場合は、入院する2週間前から食欲が低下していましたが、入院してこれらを内服し始めると食欲が戻ってきました。
【参考URL】
タケキャブ錠10mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)|日経メディカル処方薬事典
アレンドロン酸ナトリウム水和物ゼリー(ビスホスホネート製剤)
効能・効果
骨を壊す細胞の働きを抑え、骨からカルシウムが流れ出ることを抑制して骨量を増やす、骨粗鬆症を改善する目的があります。
副作用
胃炎、腹部不快感、胃痛、胃不快感、胃重感、腹痛、嘔吐、食欲不振、腹部膨満感、口内炎、胃酸逆流などが現れる場合があります。
私の経験
ボナロン経口ゼリー35mgを1週間に1度、朝食前に飲んでいます。
プレドニゾロンの重大な副作用の中には骨粗鬆症があるので、万が一骨粗鬆症を患っていたり骨が弱かったりする方がプレドニゾロン(ステロイド)を内服する治療をされる場合は、医師にその旨を伝えてるようにしましょう。
このゼリーの飲み方は非常にデリケートです。薬の成分が強いため、内臓に刺激を与えないように、噛まずに水と共に丸呑みし、飲んだ後は寝転がったりせず30分程度は座っておくようにしなければなりません。3~4センチの長さの細めのうどんをそのまま飲み込むイメージです。
痒み止め(塗り薬として)
肝炎の症状の中には全身の痒みがあります。黄疸の症状とともに出てきます。
私の場合は入院時に、自覚症状として痒みを訴えましたので、痒み止めの塗り薬を出して頂けました。
これは医師からも説明がありましたが、気休め程度にしかならず、全く効きません。
肝炎からくる痒みは、体の内側から湧き上がって来るもので、肌の乾燥によるもの・アレルギー性のもの・虫刺されのものとは質が異なります。塗り薬を塗った直後はメンソールの清涼感で痒みが抑えられますが、時間が経つと次第に痒みが戻ってきます。
痒みの症状は、治療により肝機能の数値が正常値に近づくにつれて、黄疸とともに無くなっていきます。私の場合は入院3日目にしてほぼ痒みは無くなりました。
アムロジピンベシル酸塩(カルシウム拮抗薬=降圧剤)
効能・効果
末梢血管や冠動脈を広げることで血圧を下げたり、狭心症の発作を予防する薬で、狭心症や高血圧症の患者さんに処方される薬です。
副作用
AST上昇 、 ALT上昇 、 めまい 、 Al−P上昇 、 LDH上昇 、 浮腫 、 ほてり 、 熱感 、 顔面潮紅 、 動悸 、 血圧低下などが現れる場合があります。
私の経験
プレドニゾロンには血圧上昇の副作用がある点と、私が元々高血圧気味(最高血圧130~140mmHg、最低血圧90~100mmhg)のためか、服薬治療を開始してから最高血圧が140~160mmHg、最低血圧が100~110mmHgくらいまで上昇しました。入院中は毎日複数回のバイタルチェックがありましたので、血圧の傾向から降圧剤が処方され、退院した今も服薬を続けています。
プレドニゾロン服薬中でも血圧が高くなければ、降圧剤は処方されることはないでしょう。
【参考URL】
アムロジンOD錠5mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)|日経メディカル処方薬事典
まとめ
以上が私が実際に自己免疫性肝炎の治療で処方されている薬の効能・効果と副作用と、使用した時の実体験になります。
病状や医師によって処方される薬の内容や量、治療法は変わりますし、薬を服薬しての体感も個人差があると思いますので、私の実体験はあくまでご参考までにお願いします。
どんな病気で治療を受ける場合でも、まずは医師を信頼することが大事だと思います。
医師からの問診には正確に回答し、自覚症状にはどのようなものがあるのか、病歴やアレルギー、血縁者の遺伝的な情報などを詳細に伝えることが、より的確で副作用リスクの少ない治療を受ける第一歩となります。私はそうすることで、早期に自覚症状がなくなりました。
それでも薬の副作用や、療養の経過が芳しくない時も場合によってはあると思います。そんな時、気になる方はセカンドオピニオンを検討されるのも良いでしょう。最近はセカンドオピニオンを推進する病院も多いので気軽に相談してみましょう。
不安や悩みを解消していくことで、早期に健康な体を取り戻しましょう!