この記事では、指定難病<自己免疫性肝炎>で入院した実体験を元に、肝組織を採取して検査をする<肝生検>について紹介します。
内臓の組織を採取するため、「手術のようなことをするのか?」と不安になる方もいらっしゃると思いますが、メスで切ったりすることはありませんし、麻酔を使って処置されますので、術中の痛みはほぼありません。 私の体験をこの記事で見て頂いて、これから肝生検を受ける方に心の準備を進めてもらえるとうれしいです。
こんな方にこの記事はオススメです!
・肝炎を患ってしまった方とそのご家族
・初めて肝生検を経験される方
目次
肝生検とは
肝生検とは、病理診断を目的に肝臓の組織を採取して行う精密検査です。
肝生検は、体外から超音波検査機器(エコー)で肝臓の位置を把握しながら、あるいは腹腔鏡を用いて生検針という針を肝臓に刺し、肝臓の細胞の一部を取りだす作業になります。
【参考URL】
自己免疫性肝炎における肝生検の意味
自己免疫性肝炎では、この肝生検を行うことで、"自己免疫性肝炎の特徴的な傾向"が確認された上で、正式に自己免疫性肝炎と診断されるそうです。
これは自己免疫性肝炎が<難病法>による医療費助成制度が適用される指定難病であり、その助成制度の認定手続きには肝生検を行うことが必須とされているからです。
逆をいえば、肝生検を受ける前は"自己免疫性肝炎(仮)"で治療を受けていることになります。
症状、血液検査の結果、ウィルス性肝炎や慢性肝炎の疑いがないこと、自己免疫性肝炎と疑ってはじめた治療に効果が出ていることなどで、「自己免疫性肝炎だろう」という状態で治療が進み、血液検査の結果である程度肝機能の数値が改善したら、肝生検を行うことで、確かに自己免疫性肝炎なのか確認する、、、という流れになります。
肝生検は痛くないのか?
術中の痛み
最初に「生検針という針を肝臓に刺し、肝臓の細胞の一部を取りだす」と書きました。
こう聞くと痛そうです。生検針も実物を見ると「こんなに太くて長いのを入れるの!?」と思いますが、局部麻酔を用いるので針を体に入れられている時は「あ、何か入ってるな」くらいの感覚です。
これは私が肝生検を受ける前に医師や看護師の方から聞かされたことですが、「受けた人は麻酔のほうが痛かったと言っている」とのことでした。
確かに生検針を刺す近くに打たれた麻酔のほうが痛かったですし、生検針を刺される時は麻酔が効いているので痛みは全くありませんでした。
ただ、私が肝生検の処置の中で一番痛かったのは、超音波検査機器(エコー)のプローブ(体に当てる道具)を肋骨にグリグリ当てられることでした。
肝臓の血管を傷つけないように肝組織を採取するため、血管の様子を確認するためにエコーを使うのですが、見えにくいのか力を込めてグリグリとプローブを押し当ててくるのです。肝臓の位置はみぞおちの右寄りで、右側の肋骨ある肉の薄いところをグリグリグリグリやられるものだから思わず「うぅっ!」と声が漏れてしましましたw
術後の痛み
術後は麻酔が切れてくると、流石に体内に針を入れただけあって、肝臓付近に力が入る(例えば咳をするとか、笑って腹部に力が入る)時に「ズキッ」「ズンッ」と感じる痛みが2日ほどありました。普通に静養している時には痛みはありませんでした。
まとめ
- 肝生検は肝組織を採取し精密検査を行うこと。
- 肝生検は局部麻酔を使うので痛みは感じない。別のことで痛みを感じることはある(個人差による)。
- 自己免疫性肝炎の場合は、肝生検を経て自己免疫性肝炎であることが診断として確定する。
以上が肝生検の予備知識になります。
日記やtwitterに肝生検当日の流れを記録しています。思わぬトラブルで笑いしかないw
ご興味ある方はぜひご一読くださいm(_ _)m